こんにちは、ママ税理士のゆかりです🌸
「いざ独立!」と決めたものの、「で、何を、どこに、いつまでに出せばいいの?」 で手が止まってしまう方はとても多いです。
開業の届出は、出すべき書類そのものは難しくないのですが、1枚出し忘れただけで、その年の節税が丸ごと使えなくなるものもあります。特に青色申告は要注意です。
そこで今回は、個人事業主として起業したときに必要な届出を、①税務署(国税)/②都道府県(地方税)/③社会保険・年金/④消費税・インボイス、の順に、提出先と期限つきで整理しました。「とりあえずこれを見ればOK」という保存版にしてください。
※法人(会社)を設立する場合は、手続きの数も期限もまったく別物になります。法人版はこちらの記事にまとめています。
👉 【保存版】会社を設立して起業したら出す届出一覧
① 税務署(国税)への届出
まずは国税。ここが一番大事です。
- 個人事業の開業・廃業等届出書(いわゆる「開業届」)
- 提出先:税務署/期限:事業を始めた日から1か月以内
- これを出すことで「個人事業主になりました」と税務署に伝えます。屋号付き口座を作るときにも使います。
- 所得税の青色申告承認申請書 ★最重要
- 提出先:税務署/期限:開業日から2か月以内(その年から青色にする場合)
- これを出さないと、初年度は自動的に「白色申告」に。最大65万円の特別控除も、赤字の繰越しも使えません。期限を1日でも過ぎると取り返しがつかないので、開業届とセットで同時に出すのが鉄則です。
- 青色事業専従者給与に関する届出書(家族に給料を払うなら)
- 提出先:税務署/期限:その年の3月15日まで、または開業・専従者がいることになった日から2か月以内
- 配偶者やご家族に手伝ってもらい、その給料を経費にしたい場合に必要です(青色申告が前提)。
- 給与支払事務所等の開設届出書(従業員を雇うなら)
- 提出先:税務署/期限:雇って給与を払い始めてから1か月以内
- 源泉所得税の納期の特例の承認申請書(従業員を雇うなら、あわせて)
- 提出先:税務署/期限:随時(早めに)
- 従業員から預かった源泉所得税は本来毎月納付ですが、これを出すと年2回まとめて納付でOKに(給与を払う人が常時10人未満の場合)。事務負担がぐっと軽くなります。
- なお、ここで知っておきたい特例があります。従業員を雇わず、ご自身ひとりで事業をしている方(誰にも給与を支払っていない個人事業主)は、税理士や弁護士など「個人の士業」に報酬を払っても、そもそも源泉徴収(天引き)をする必要がありません。 この場合は納める源泉所得税自体がないので、この納期の特例も申請不要です。
逆に、青色事業専従者給与やアルバイトなどで誰かに給与を支払っている個人事業主は源泉徴収義務者となり、士業への報酬からも源泉徴収が必要です。その場合は、この納期の特例を出しておくと納付が年2回で済みます。
- 棚卸資産の評価方法・減価償却資産の償却方法の届出書(必要に応じて)
- 提出先:税務署/期限:最初の確定申告期限まで
- 法律で決まった標準の計算方法以外を選びたい場合だけ。出さなければ標準の方法(減価償却は「定額法」など)が適用されるので、こだわりがなければ不要です。
- 実際にこれを提出する個人事業主はほとんどいません。「こういう届出もある」くらいの認識で大丈夫です。
② 都道府県(地方税)への届出
- 個人事業税の事業開始等申告書
- 提出先:都道府県税事務所/期限:自治体によって異なる(例:東京都は事業開始から15日以内)
- 税務署の開業届とは別物で、出し先も違います。実は出し忘れている方も多いのですが、本来は必要な届出のため、気づいた時点で提出しましょう。
※事業税がかかる業種は決められています。法定業種に該当しない業種(一部の農業・林業や、文筆業などが該当し得ます)は、そもそも個人事業税の対象外なので提出も不要です
③ 社会保険・年金(会社を辞めて独立した場合)
会社員から独立した方は、社会保険からの切り替えも忘れずに。
- 国民健康保険・国民年金への切り替え
- 提出先:市区町村役場/期限:退職(社会保険の資格喪失)から14日以内
- なお、健康保険は「前職の健康保険の任意継続」を選べる場合もあります。保険料はケースで変わるので、国保と任意継続のどちらが安いかは比較して決めるのがおすすめです。
- ただし任意継続を選んだ場合でも、国民年金(第1号被保険者)への切り替えは別途手続きが必要なので注意しましょう!(任意継続はあくまで“健康保険だけ”の話です。)
- (任意)小規模企業共済・iDeCo・国民年金基金など
- 加入は義務ではありませんが、掛金が全額所得控除になる強力な節税になります。資金繰りに余裕が出てきたら検討の価値ありです。
④ 消費税・インボイス(必要に応じて)
- 適格請求書発行事業者の登録申請書(インボイス登録)
- 提出先:税務署(インボイス登録センター)/期限:登録を受けたい時期に合わせて
- 取引先からインボイス(適格請求書)を求められる場合に登録します。登録すると消費税の納税義務が発生するため、自分の取引先の状況を見て、登録するかどうかを判断しましょう。迷ったら税理士に相談を。
- 本来インボイス登録には「消費税課税事業者選択届出書」も必要ですが、令和11年(2029年)9月30日を含む課税期間までは経過措置があり、登録申請書1枚だけでOK(課税事業者選択届出書の提出は不要)です。
- 新規開業の場合、登録日を「開業日」か「登録希望日(提出日から15日以降の日)」のどちらかから選べます。開業初日から登録事業者になりたいなら、開業日を指定しましょう。
まとめ:まず押さえるべき2つの期限
たくさん並びましたが、全員が必ず・最優先なのはこの2つです。
- ✅ 開業届 … 開業から1か月以内
- ✅ 青色申告承認申請書 … 開業から2か月以内(出さないと初年度の節税が使えない!)
この2枚は同時に提出してしまうのが一番安全です。最近はスマホやクラウド(freeeの開業書類作成など)で、住所や屋号を入れるだけで両方まとめて作れます。
そして、従業員を雇うなら③④の給与関係、会社を辞めたなら社会保険の切り替え、というように、ご自身の状況に応じて足していくイメージで大丈夫です。
「自分の場合はどれを出せばいい?」「青色の期限、もう過ぎてるかも…」など、不安な方はお気軽にお問い合わせくださいね😊
記事の内容は、あくまで一般的なケースです。「自分の場合はどうなる?」という疑問こそ、経営者一人ひとりで答えが変わります。小さなことでも、お気軽にお問い合わせください。


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