こんにちは、ゆめつばさ会計の増田です。
「税理士から試算表をもらったら黒字なのに、銀行口座を見ると全然お金が残っていない……」
そんな経験、ありませんか?これは経営の失敗ではなく、会計の仕組みとお金の動きにはズレが生じるという、知っておくべき大切なポイントがあるからです。
今回は、会計初心者の方に向けて「なぜズレが起きるのか」をわかりやすく解説します。
会計は「税金を正しく計算するためのルール」
そもそも会計って何のためにあるの?と思う方もいるかもしれません。
シンプルに言うと、会計は「税金をきちんと計算するためのルール」です。国が「このルールで利益を計算してください」と決めていて、そのルールに沿って記録するのが会計です。
そしてこのルールは、「実際にお金が動いたかどうか」ではなく、「取引が発生したかどうか」を基準にしています。
ここが、口座残高と試算表がズレる一番の理由です。
ズレが起きる場面を3つご紹介
① サービスを提供した月と、お金が入る月がちがう
3月にお客様へ仕事を納品して、お金は4月に受け取る——このケースでは、会計上は「3月の売上」として記録されます。でも口座にお金が入るのは4月(翌月入金)です。
試算表では黒字なのに、3月末の口座残高にはそのお金がまだない、というズレが起きます。
② 車や機械など、高額なものを買ったとき
たとえば仕事用の車を100万円で現金購入したとします。口座からは100万円がまるごと出ていきますが、会計上は税法のルールにより「何年かに分けて少しずつ費用として計上する」ことになっています。
つまり、お金はすでに全部出ていっているのに、費用はじわじわとしか記録されないのです。試算表を見ると「そんなに費用が増えていない」のに、手元のお金は一気に減っている——このギャップが生まれます。
③ 税金の支払いは「あとからまとめてやってくる」
会計上の利益には、まだ支払っていない税金が含まれています。所得税・消費税・住民税などは、年に数回、特定の時期にまとめてやってきます。
売上500万・経費200万のビジネスであれば、これらの税金トータルで数十万〜100万円超になることも。試算表には出てきませんが、確実に口座から出ていくお金として、頭に入れておく必要があります。
税理士との面談は「会計の報告」だけで終わらせない
試算表を見ながら「今月の売上はこうでした」で面談が終わっている方、実は多いです。でもそれだけでは、今の口座残高が安全かどうか、これからお金が足りなくなる時期はないか、という肝心なところが見えていません。
税理士との面談では、ぜひこんな質問を追加してみてください。
- 「今後3ヶ月で大きな支払い予定はありますか?」
- 「税金の納付時期はいつ頃で、いくらくらいになりそうですか?」
- 「今の口座残高は、経営的に見て余裕がありますか?」
会計の数字と、実際のお金の動き(キャッシュフロー)を両方確認することで、経営の安心感がぐっと変わります。
おわりに
会計は税金を正しく計算するためのルールです。だからこそ、実際のお金の動きとズレが生じるのは当然のこと。そのことを知っておくだけで、「黒字なのにお金がない」という焦りが落ち着きます。
「試算表はもらってるけど、正直よくわからない」という方こそ、ぜひ次回の税理士面談でお金の流れについても聞いてみてください。

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