個人で事業を立ち上げたり、法人を作っていざ税理士にお願いしようにも、どんな税理士にお願いしようか迷いますよね。
税理士の中には、ひとりで個人事業主として働く人と、従業員を何人か雇っている個人会計事務所や税理士法人という形態があります。
税理士界隈でもチラホラあがるこのネタ。今日はお客様目線で検討してみようと思います。
あくまで一例ですが参考にしてみてください。
【定量面】数字で見る事務所運営
普通、定性面からお伝えするものと思いますが、私は数字でお見せした方が説得力があると思うので、数字からお見せします!
ちゃんと「利益があがる仕組み」があってこその「顧問料の値付け」となるので、それぞれの事務所でどのようなコストがかかるのかを見てみましょう。
そうすれば値段の理由、対応の仕方の違いがきっと見えてきます!
まず、ひとり税理士の場合のコストを見てみましょう。

ザっとコストは年間300万円かかるとします。ここに自分の所得として700万円ほしいのであれば、目標売上は1000万円となります。
これは年間顧問料50万円の案件が20件あれば達成できます。(業界的に、一人15~40件担当するのが標準的なようなので決して高い数字ではないです。)
実際には、税理士が対応することが付加価値のためもっと顧問報酬が高い可能性もあります。その場合はもっと先生の所得が高かったり、あるいは件数を下げて高サービスを提供するものと思います。
次に一例として税理士1人+従業員9人の全部で10人の個人会計事務所の場合を考えてみましょう。

この場合は、年間コストが4683万円なので税理士の所得を加味して目標売上は7300万円としてみました。給与の内訳は右側に記載しています。
目標売上を7300万円とすると、各人別の売上目標は以下の通りです。

所長はマネージメント業務もあるので、少し売上高を下げました。パートは「入力補助者」のため、直接的な売上はない想定です。
事務所全体では136件の顧問先様を抱える状況のため、法人の決算が136件/12ヶ月=毎月11.3件あることになります。
打ち合わせの回数が平均で年4回とすると、月11.3回×4回=45.2回打ち合わせがあるので、20営業日換算すると税理士は毎日2回打ち合わせに同席することになります。
このほかに、採用面接や事務処理をする日、銀行に行く日などがあるため、税理士本人がすべての打ち合わせに同席することは現実的ではないでしょう。
不満としてよく聞く「全然税理士が対応してくれない」や「質問してもなかなか回答が返ってこない」はこのような構造が理由です。
また、税理士法人は税理士が2人以上いる組織となるため、より高度な税務を求める方には税理士法人が適しているかもしれません。ただやはり税理士が直接対応してくれるかどうかは確約はできないかと思います。
【定性面】言葉で見る事務所運営
ここからは言葉で、各形態のメリット・デメリットをあげてみます。
メリット
ひとり税理士
- 税理士が対応してくれる
- 担当者の変更がない
- 比較的レスポンスが早い
- 対応が柔軟
- 経営伴走してくれる可能性がある
会計事務所・税理士法人
- 安定性が高い
- (税理士法人)専門性が多岐にわたり、ワンストップサービスが期待できる
- (税理士法人)M&Aや海外ビジネスなど高難易度の税務も受けてくれる可能性がある
デメリット
ひとり税理士
- 税理士本人の体調懸念がある
- 対応できるサービスが限定的になりがち
組織化税理士
- 構造上、無資格者が多い
- 税理士になかなか会えない可能性がある
- 担当者によって対応にバラつきがある
- 個別対応が不可で、マニュアルに左右されがち
- 担当者が急に変わる可能性がある
結論
病院に例えると、ひとり税理士は「町医者」、人数が増えるごとに「中規模病院」「総合病院」のようなイメージとなります。
税理士は会社の内部をさらけ出す重要なビジネスパートナーのなります。
「この人にお願いしたい!」という方がいればひとり税理士に頼むのが良いかもしれません(税理士に万が一のことがあっても、税理士は全国に8万人ほどおりますし、全国どこでもクラウドで受けてくれる事務所も少しずつ増えてきているので)。
逆に、担当者は誰でもいいので安定したサービスを求めるなら従業員がいる個人会計事務所・税理士法人があっていると思います。
ぜひその違いを認識したうえで、ご自身にあった税理士を探してください。
(参考資料)第7回税理士実態調査報告書


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